うま飯隊長の実力~うますぎるもつ鍋
「このへんっすね」
当日に店を決める、それが現役最強うま飯隊長のあくまの美学だ。
うま飯隊長という職務はあらゆる職業で一番難しい。
それでなくても、予定がコロコロと変わるバグジーメンバーの旅行で、地元ではない場所でうまい飯を探さないといけないのだ。
まずい店や違う店に連れていこうものなら非難の嵐、最悪、裁判を訴えられる。
理不尽中の理不尽。
仕事なら耐えることができる理不尽もあるだろう。
離脱したギアルの代わりとして、「お前や」という理由で就任したうま飯隊長。
そんな重役が自分の友達には恥ずかしくていえない行事で降りかかってくる。
今思えばなんと理不尽かつ高難易度なんだろう、うま飯隊長は。
ギアルが役職放棄をしたくなるのもうなずける。
それをあくまは、旅行中のスキマ時間で完遂させる。
特にきちいと弱音をはくわけでもない、淡々と任務を遂行するのだ。
いったいどれほどの覚悟でうま飯隊長に挑んでいるんだ?
*
スキマ時間にこそ、あくまの真髄がある。
それは16時前だろうか。
ボブのケツが割れて足が折れた。
もちろんこれは自己申告だ。
「自転車を漕ぎすぎて、折れた」らしいのだ。
一同は、ボブの回復のため金閣寺で小休憩を行った。
団子を買って平らげている間に、あくまはここぞとばかりに、電話をかけまくっていた。
「4名で予約できますか?」
「ああ、だめですか」
「4名で予約できますか?」
「ああ、だめですか」
かつてのファインプレー、寅太郎からも断られてあくまには少し諦めの表情があった。
名監督は、ウマ飯隊長に全幅の信頼を置いているため、多くは語らない。
「あくま、ウマ飯は決まったやろな」
「予約、できました」
名監督ボブは、3人のメンバーを抱えていた。
横ちゃんを狙う名ストライカーまさはる。
るるちゃんを狙う無理ぷーさんケッピー。
そして、ウマ飯を狙うあくまだ。
しかしその難題をひょいと解決することができるのがあくまの実力だ。
そしてそれを誇ることもない謙虚さがある。
ボブの足は回復し、再び動き始めた。
大学マウンティングに気を付けろ
ビズリーチに登録しているあくまは、自他共に認めるエリートだ。
しかし、そんな彼にも悩みがあった。度々話題に上がる、「大学マウンティング合戦」だ。
「ちなみに~、〇〇さんはどこ大ですか?」
「ちなみに~、〇〇さんはセンター試験何点でしたか?」
そんなことでちなむな。
-使徒-として発言させてもらうなら、あくまの部署には「10年も20年も前の功績にしがみつく化石」が多いようだ。
悩みが募るあくまは、他会社の人や自社の他部署に聞いてみたらしい。
しかし大学マウンティング合戦は自部署特有のものだと気づいた。
これはあくまにとって衝撃だった。
「もっと今をみましょうよ…」こればかりはあくま一人が思ったところでどうにもならない。
そんな時、別の悩みを抱える男が現れた。
「でもええやん。大卒であることで、逆にバカにされることもあるんやから」
まさはるはそう訴えかけた。
「どういう意味っすか?」
「”大学出てるくせに”って言われてみろよ。それはそれできついぞ」
あくまは全てを察したが、ふわっとフォローをしていた。
そのあたりがあくまがエリートであるゆえんだろう。
しかしその気遣いは、会社において彼が自分自身を苦しめる結果になるかもしれない。
「なんかもっと評価されていい気がするんすよ」
あくまのあの発言を使徒は見逃さなかった。
近い将来、ビズリーチはあくまを野放しにはしないだろう。
1→2→???
サイクリング終了、うま飯へ
サイクリングが終了し、晩飯の場所へ向かう。
「ボブさん、今日はどんなんが食べたいっすか?」
「寒いから体が芯からあったまるのがええなあ」
予約は完了しているにも関わらず、ウマ飯隊長は事後ヒアリングを決して欠かさない。
仕事で最も重要な「キーパーソンの意見」を抑えているのだ。
ここでボブの発言と予約した店にズレがあった場合、即座に変更することを想定して最終確認を行っているのだ。
そうこの集団の真の権力者はボブだ。そこを把握したうえで、あくまは調整をしているのだ。
おそるべし、あくま。
こんな有能な人材をウマ飯隊長とかいうわけわからん役職に任命している俺たちの集団が末恐ろしい。
あくまという人類の英知を、たった4人がウマ飯を食いたいがためにその能力をお借りしているのだ。あくまがウマ飯隊長に就任しているという奇跡に我らは感謝すべきだろう。
*
「スーパー玉出みたいなネオンがないな」
「あれは下品や」
「しっとりする間接照明ばっかりや。全国間接照明協会にでも入ってるんか」
軽口をたたきながらたどり着いたのは、もつ鍋 新亀。
文章で語ることはヤボだ、よそう。
言えることは、俺は人生4度目くらいのもつ鍋だが、一番うまかった。
ボブが目にもとまらぬ速さで満腹になったのも、もつ鍋のうまさからだろう。
「おいお前ら。駐車場が22時で閉まるからもう行かんと」
ハンドルキーパーとして素面だった俺は、みんなに提案した。
そして車に戻り、帰路につく。
【貴重な時間を使って読んでいただき、誠にありがとうございました!】
疲れた金曜の夜に、ふっと笑えるコメディを。
「バカげている事ってめちゃめちゃ楽しいですよ!人生って結構面白いですよ!」
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当ブログ「俺たちバグジー親衛隊」は、私自身の実体験を元にした小説を投稿しています。
大人になると、腹を抱えて笑ったり、ワクワクしたり、冒険することがめっきり減ってしまったりしませんか?そんなあなたに、いや、私自身に届ける物語が、「俺たちバグジー親衛隊」です。
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