天下の大泥棒
うま飯隊長の役割だけでなく、オシャレ番長ことあくまは、「革製品専門の店がこのへんにありますよ」と提案した。
「ええなあ、ケッピーの予定通りに観光地こなすのも大したもんじゃないからなあ」と同意する一同。
そしてあくまが紹介した革製品の店に入った。
ここでもまさはるはノリに乗っていた。
そう、五右衛門だ。
ケッピーが買おうとしていた茶色のキーホルダー製品を
「それちょっと見してくれ」と言って手に取ると、
さっと自分の黒のキーホルダー製品と入れ替えたのだ。
そのままレジに持ち込むまさはる。
ほんの3秒だった。
そしてまさはるはたった一点しかない、茶色のキーホルダーを買ったのだ。
もちろん、ケッピーは激怒した!
店内にも関わらずに声を荒げる。
「おい。それはあかんぞ。一生許さんぞ」
何が起こったかわかっていないあくまは「え、なにキレてるんすか?こんな店の中で恥ずかしいですよ」と焦っている。
とにかくケッピーは切れていた。
「横取りやぞ!」
*
店を出てからもケッピーはキレていた。
しかしまさはるは、さすがに大満足の表情をかましていた。
「すまん」
「すまんじゃないやろ!それなら正直に同じのが欲しいと言ってじゃんけんでもすればええやろ!」
「だからすまんって」
「すまんじゃないやろ!あれは卑怯すぎるぞ!!」
ヒートアップするケッピーをみかねたあくまは止めに入る。
「店の前で争うのはやめてください」
あくまからすればとんだ災難だ。良い店を先輩方に紹介したつもりがそこで1名切れている奴がいるのだ。
*
あの時の俺は頭に血が上っていたが、あくまに悪いことをした。せっかく紹介してくれた名店で声を荒げて、ごめんなさい。
ただ、言い訳だけはさせてほしい。俺が切れるきっかけをつくったのは、五右衛門なんだ。
あの大泥棒は、あかん。
しかし一夜明けるとケッピーの気持ちは変わっていた。
翌日、まさはるがケッピーを合コンに誘ってくれたからだ。
その日は12/10、ケッピーの誕生日だった。
彼女もおらず行く相手もおらず、このままでは家で仮想通貨のブログを書くという寂しい誕生日になるはずだったが、まさはるはそこに合コンというチャンスをくれたのだ。
「一生許さん」という言葉を即時撤回したい。
「全然かまいません。これからも泥棒してください。そして合コン誘ってくれてありがとう。使徒にならずに人間として参加しようと思います」
*
ふと思えば、たぶんあれはまさはるだけに怒っていたのではないかもしれない。
全てだ。ボイトレ、結婚相談所、カナダでのぼったくりバー、騙されてばかりの自分の人生が嫌になったのだろう。
その結果、仲間思いじゃないルフィが誕生した。
「俺が俺のやりたいようにやる。でも仲間は見捨てるぞ」
唯一無二のエゴイストの誕生だ。
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【貴重な時間を使って読んでいただき、誠にありがとうございました!】
疲れた金曜の夜に、ふっと笑えるコメディを。
「バカげている事ってめちゃめちゃ楽しいですよ!人生って結構面白いですよ!」
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当ブログ「俺たちバグジー親衛隊」は、私自身の実体験を元にした小説を投稿しています。
大人になると、腹を抱えて笑ったり、ワクワクしたり、冒険することがめっきり減ってしまったりしませんか?そんなあなたに、いや、私自身に届ける物語が、「俺たちバグジー親衛隊」です。
今こそ”おバカな青春”を思い出そう!!そう思い、私は”俺バグ”を再び書き始めることにしました。
「学歴、年収、結果、出世、結婚…」 常識や世間体、既定路線の資本主義競争、そんな結果を忘れて、ただ、今この瞬間を楽しむ。それが俺たちバグジー親衛隊に登場する人物たちです。
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