3話 練習をしすぎて、逆に下手になる / 俺たちバグジー親衛隊 Ⅱ章

2話 謝りたいからメールアドレス教えて! / 俺たちバグジー親衛隊 Ⅱ章

 

部活動こそ、青春だ。

理不尽な叱咤、なんとなく生まれる連帯感、試合という日ごろの成果を発揮する行事。

 

高校生は学業が本業ですが、生活の中心イベントは部活動になることが多いです。

この頃、ぼくらの所属する軟式テニス部でちょっとした異変が起こっていました。

 

それは新入部員の中で7人いた初心者の中で、恐ろしいほどの実力差が生まれてきたのです。

特に中学時代に野球をしていた、ぼくとボブと織田の3人の成長度合いの差は顕著でした。

 

ボブや織田は”やる気なさそう”にもかかわらず上達が非常に早かったのですが、朝練にも参加し放課後も自主練習をしていたぼくが最も下手という残念な事態になっていたのです。

 

 

数週間前から、ぼくらは部活動終わりに自主練習を始めました。

ぼくらの部活の顧問は技術指導は行わない系、いや、行えない系でしたので、技術的なことは先輩に聞くか、自分たちで勝手に練習するしかなかったからです。

 

練習場所は、ぼくの家の近くにある道路沿いの大きな壁です。

 

ぼくとボブときゃぷてんは3人で横一列に並び、壁に向かってテニスボールを打ち込みます。

 

ポンッポンッポンッ

 

軟式ボール特有の柔らかい音が道路に響き渡ります。

もちろん道路なのでたまに車が来ますが、車が来たら端によって避けます。

そして、車がいなくなったら壁打ちを始めるのです。

 

“道路で壁当てをするな!邪魔やろ!”という発想はぼくらにはありません。

 

ただテニスがうまくなりたい。そのためには壁がある場所ならどこでも良かったのです。

 

ポンッポンッポンッ

 

 

とある部活終わりの帰り道、ぼくはボブときゃぷてんに疑問をぶつけました。

「なんで俺はこんな下手になんや?みんなよりも時間使って、1番練習してるのに。」

 

すると、「練習したからやな」という意外な答えが返ってきます。

 

「は?そんなことありえるんか?」

 

「ああ、あり得る。とっしー、お前はどこで練習してた?」

 

「あの壁や。みんながおらんときも、一人で黙々と壁当て練習を…」

 

「それやで。お前は勝手に一人で練習して、間違えたフォームを身につけてるねん」

 

「間違えたフォーム!?」

 

「そうや。下手な奴が勝手に練習したら下手になる。それを体現したのがとっしー、お前や」

 

「そんなこと、ありえるんか!?」

推理小説の主人公みたく驚いて見せます。

 

「ありえる。どうせとっしーは、一人で練習しながら”これやがなっ、これやがな”とか言って、うまくなってる気がしてたんやろ?」

 

「そうやな」

「けどそのフォームは間違えてるから、それは下手になっていってるねん。

それに気づかずに練習し続けて、部活の全体練習で判明するわけや。自主練し続けて下手になってることに」

 

2人にそう言われて、ぼくは自分が下手になった理由に気づきました。

「たしかに俺の自主練習がまずいのはわかった。けどさ、勉強でも自学自習するやつは賢くなるやん?テニスは違うんか?」

 

「勉強とテニスには大きな違いがある。

テニスには”型”とか正しいフォームがある。それをわからんうちに勝手に練習したら誤った癖を覚えてしまうんや」

「けどよ!?ボブや織田はなんであんなにうまくなるんや?」

「センス、運動神経やな。運動神経がいいやつは一回教えてもらったことをすぐに飲み込むし、勝手に練習してと上手くなる。それだけや!とっしーはセンスがないから勝手に練習してどんどん下手になっていくんやな」

 

そう言われたぼくですが、それでも「でも俺はそれでも自主練習するぞ!!」と意固地になったのです。

そして来る日も来る日も黙々と練習を続けました。

それが、あんな悲劇を生むなんて。

4話 なにわのスピン野郎 / 俺たちバグジー親衛隊 Ⅱ章

 

【貴重な時間を使って読んでいただき、誠にありがとうございました!】

疲れた金曜の夜に、ふっと笑えるコメディを。

「バカげている事ってめちゃめちゃ楽しいですよ!人生って結構面白いですよ!」

当ブログ「俺たちバグジー親衛隊」は、私自身の実体験を元にした小説を投稿しています。

大人になると、腹を抱えて笑ったり、ワクワクしたり、冒険することがめっきり減ってしまったりしませんか?そんなあなたに、いや、私自身に届ける物語が、「俺たちバグジー親衛隊」です。

今こそ”おバカな青春”を思い出そう!!そう思い、私は”俺バグ”を再び書き始めることにしました。

1話 マチカド調査隊、推参 / 俺たちバグジー親衛隊 Ⅰ章

「学歴、年収、結果、出世、結婚…」 常識や世間体、既定路線の資本主義競争、そんな結果を忘れて、ただ、今この瞬間を楽しむ。それが俺たちバグジー親衛隊に登場する人物たちです。

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