3話 人を待たせるべからず / 俺たちバグジー親衛隊 Ⅰ章

2話 角刈りデビュー5秒前 / 俺たちバグジー親衛隊 Ⅰ章

 

日はもうすでに暮れており、一日の終わりを告げています。

「お前らはええよな。そうやって待ってるだけなんやから。
行動して恥をかくのは俺や」
マチカド調査を経て、おばさんに角刈りを推奨されたり、若い女性にドン引きされて逃げだされたぼくはいじけていました。

「それは違うぞ。
待つっていうこともつらいもんなんや」
ボブはそう言うと、何かを思い出したように学校での出来事を語り始めました…

「今日の午後の授業で数学の橋田先生の授業受けてたときにな。俺は言われたんや

“ここ解いて?”

って。だから俺は自信持って答えたよ。

“ルート1です”

そうしたら、先生は、眉間にしわを寄せながら言うんや。

“違う“
違うと言われても、どう計算してもルート1や。俺はまた答えるよ。

“ルート1です”

“違う。じゃあ待っとく”

待っとかれるからな?
これがこの先生の恐ろしいところや…」

「待っとくってなんやねん!」
「先生としては教えるべきやろっ」
へらへらと笑いながら突っ込むぼくときゃぷてんに、ボブは神妙な面持ちで話します。

「いや、お前ら。待っとかれる緊張感を知ってるか?授業を止めて、みんなが俺の解答をまってるねん。
そのときって、クラス全員が真顔やからな。クラスの空気が止まって時計の針が進む。
そして全員が俺の解答を待つ。あーこわ!!思い出しただけで震えるわ」

西のカナ…?

「そんとき橋田先生ってどんな顔してるん?はよ答えろやみたいな感じ?」

「ちゃうよ、あの先生。俺にドヤ顔してくるんや。何が嬉しいんだか…」

「俺もその経験があるで」

ここできゃぷてんも実体験を話し始めました。

“ここ解いて?”

わかりません”

“じゃあ待っとく”

しんぷる…

「いや!待っとくってなんやねん!!!待ったところでどうもならんやろう!」
「待たずに教えるか、次の生徒に聞いたほうがええなあ!」

「でもあの先生は待つんや…」

「で、そんときの橋田先生はどんな顔をしてたん??」

「ドヤ顔」

やっぱり。

 

ここでぼくは、数学の時間に”待たれたことがある”2人に素朴な疑問を尋ねます。

「てかさ、お前らって待っとかれたときどうするん?」

「どうもできんよ。考えたってわからんからな。だから、考えるふりをするねん」

「いや、それ考えるフリしてるってことは考えてないんやろ?考えてないねんからできんままやん?」

「そうや、この待っとかれる状態からの回避方法は一つだけしかない」

「必勝法ってやつか?秋山?」

「誰が秋山やねん」

「回避方法ってなんや?先生の根負けか?」

「ちゃうよ。あの先生は5分でも10分でも待ち続けるからな。他の生徒の授業時間を奪うなんて概念はないんや。永遠に待ち続けるマシーンや」

「じゃあ、どうやって回避すんねん?」

「周りの誰かがそっーっと教えてくれるのを”待つ”」

「お前も待つんかよ!」

「先生も待つ。俺も待つ。クラスのみんなも待ってる。全員が待つ状況が生み出される」

これはのちに後世でエンドレスウェイトと呼ばれることになります。

 

「それで、だれかが助けてくれたんか??」

「ああ、俺のときは前の席の”安宅っち”がそっと後ろを振り向いて向いてくれたんや。そしてモゾモゾってしながら”いち”と教えてくれたから助かった。」

「いち?」

「そうや。ルート1じゃなくて、1が正解らしい」

「ほぼ一緒やな」

「ちなみに答えを教えてくれた安宅っちって、右足小指をタンスにぶつけて小指を骨折した人?」

「そうや。あのときは安宅っちのぼーっとした顔が女神に見えたわ。ヒーローは遅れてやってくるもんなんやな」

橋田先生のおかしな対応に疑問が晴れないぼくらの議論は、ヒートアップしていきます。

「”まだ解けてません”に対して、”待っとく”。これはわかるねん。
けど、”わかりません”に対して”待っとく”。この対応はほんまに怖い。わからへんもんはわからへんからな!待たれた時のプレッシャーよ。自分が答えない限り授業が進まへん!」

「てか、あの先生いつからあんな教え方になったんやろな。」

「ほっかほっかの先生なりたての時代から”待つスタイル”とは考えづらい」

「あれは性格やろ。子供の頃から待つのが好きやったんや。」

「たまにおるな!待つの好きなやつ!」

「朝8時に駅集合やのに、4時半にすき家でずっと待ってるやつのこと?」

「そんな奴おらんやろう!」

 

その時、背後に邪悪な気配を感じました。背中がこわばるといいますか、いやな予感がします。ぼくらがおそるおそる後ろを振り返ると、そこには話題の当人、数学の橋田先生がいたのです。

「ひえっ!」と叫んでしまうぼく。

橋田先生はその大きな巨体でぼくらを見下ろすように、腕を組んで立っていました。
ボブときゃぷてんも唖然としながら立っていました。誰も足が動きません。
ぼくにいたっては産まれたての子鹿のように足をプルプルさせています。

橋田先生は頬を緩めると、「君たち、部活動もまだ始まっていないこの時期にこんな時間まで何をしていたのですか?何の話をしてましたか?」とぼくらに尋ねてきました。

「いやあ、なんでもありませんよ」と答えます。
先生の数学の授業について盛り上がっていたなんて、口が裂けても言えません。

「いやいや、言ってみてくださいよ。気になるじゃありませんか」

「先生こそ、なんでここにいるんですか?」

きゃぷてんは機転を利かせて、質問に質問をぶつけて初めの質問を無効化する技を繰り出しました。

 

「私はここが最寄り駅です。今日は用事があるので仕事を終えて帰ってきたのですよ。そんなことより君たちはさっきどんな話をしていたんですか?」

「いやあ、たいした話ではないですよ」ぼくらはなんとか交わそうとします。

「そうですか。では内容を話してくれるまで、

待っときます」

 

そうきたか!ぼくらは心の中で叫びました。

 

ぼくらは真顔で待たれて、
橋田先生はドヤ顔で待つ。

みんな仲良く揃って駅前で立ち尽くしました。

めでたし、めでたし。

 

第4話 きゃぷてん、散髪界のポイントガード / 俺たちバグジー親衛隊 Ⅰ章

 

【貴重な時間を使って読んでいただき、誠にありがとうございました!】

疲れた金曜の夜に、ふっと笑えるコメディを。

「バカげている事ってめちゃめちゃ楽しいですよ!人生って結構面白いですよ!」

当ブログ「俺たちバグジー親衛隊」は、私自身の実体験を元にした小説を投稿しています。

大人になると、腹を抱えて笑ったり、ワクワクしたり、冒険することがめっきり減ってしまったりしませんか?そんなあなたに、いや、私自身に届ける物語が、「俺たちバグジー親衛隊」です。

今こそ”おバカな青春”を思い出そう!!そう思い、私は”俺バグ”を再び書き始めることにしました。

 

「学歴、年収、結果、出世、結婚…」 常識や世間体、既定路線の資本主義競争、そんな結果を忘れて、ただ、今この瞬間を楽しむ。それが俺たちバグジー親衛隊に登場する人物たちです。

おバカなことでも全力で生きているとなぜか楽しくなる。そんな魂を届けます。

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